これまで、都庁の面接官が見極めたい3つのポイントについて、具体的に解説してきました。
今回は、これまで述べてきた特徴をまとめた上で、都庁の面接官がどのような質問でポイントをチェックしているかついて解説していきます!
採用したくない人が持つ特徴(まとめ)
これまでの記事で述べてきたとおり、面接官が不合格にしたいと思う人の特徴は、次のとおりです。
- 下調べの足りない人
- 意識高い系の人
- 腰掛の人
- ストレス耐性のない人
- 真面目すぎる人
- 敵を作りやすい人
- 謝れない人
- 常に自分が正しいと思い込んでいる人
- コンプライアンス意識の低い人
上の特徴を持っている人だと面接官に思われてしまったら、都庁面接試験の突破は難しくなるでしょう。上の特徴の全部、または大半に当てはまっている人は、ほとんどいないと思います。そういう方は、そもそも公務員を目指さないでしょうし。
しかし、「ストレス耐性自信ないなぁ」とか、「ちょっと真面目過ぎるかも」という方はいらっしゃるのではないでしょうか。組織は、すぐに辞めてしまう人・メンタルダウンしそうな人・職場で同僚に迷惑をかける人を、本当に本当に採用したくないので、面接官は上の特徴を持っていそうな人を、厳しい目でチェックしています。
実はこれだけで合格できる?
では、どんな人が合格できるのでしょうか?
それは簡単です。上の特徴をまったく面接官に感じさせなかったならば、その時点で合格への可能性は格段に高くなります。ここは本当に重要なポイントです。都庁面接試験は、面接官にネガティブな要素を感じ取られなければ、非常に高い確率で合格できます。
よく、受験生の間で、「都庁の面接は東京都の政策重視」という話を耳にしますが、これまで解説してきた3つの特徴を持っておらず、採用しても問題ない人物だと面接官に印象付けることができれば、正直な話東京都の政策をあまり理解していなくても面接は通過します。
もちろん、政策について全く勉強せず、何も答えられなければやる気のない人だと思われて落とされてしまいますが、パンフレット等でメインな政策の情報収集をし、適度な受け答えができれば、それだけで十分合格点です。
繰り返しになりますが、公務員試験の面接は、「優秀な人」を選抜することを重視していません。「優秀な人」が欲しいのは事実ですが、「優秀な人」を採用することより、「組織に合わない人」を採用しないことが重要なのです。そして、組織に合わないと面接官に感じさせてしまう人が多いというのが現実です。
実際に働いていて実感しましたが、「優秀な人」が都政に与える影響が+100だとすると、途中で辞めてしまう人・職場に迷惑をかける人が都政に与える影響は-300くらいあります。課内に一人でも問題職員がいれば、上司はその職員の対応に手を焼き、他の職員はその職員の仕事をカバーで残業が増えるなど、職場全体のパフォーマンスが大きく落ちます。職員間での不満も高まってきます。
一方、「優秀な人」は上司に信頼されて仕事も任せてもらえますし、他の職員からも様々な点で頼りにされますが、課内に一人「優秀な人」がいたとしても、その人の影響で職場全体のパフォーマンスが大きくアップするとまではいえません。「超優秀な職員と、超問題児の職員をセットで課に送れるけどどうする?」と人事部に言われたら、ほとんどの課長はお断りするはずです(笑)都庁の職場は、そういった感じです。
どのような質問でチェックするのか?
では、面接官はどのような質問で、上の特徴をチェックするのでしょうか? 面接試験で実際に聞かれた事例集は改めて解説しますので、今回は上の特徴をあぶりだす質問の一例を見てみましょう。
(1)「都庁のどんな政策に興味がありますか?」「やりたい仕事じゃなかった場合、どうしますか?」
定番の質問です。絶対に聞かれる質問の一つです。この質問に対し、自分の興味ある分野以外に答えられない人は下調べの足りない人で、聞かれてもないことを得意げに話す人は意識高い系の人である可能性が高いです。実際の面接試験においては、特に後者に注意したいところです。
聞かれてないことをベラベラと喋り続ける人は意外と多いですが、面接官からの印象は、はっきり言って悪いです。面接試験は面接官とのキャッチボールなので、一方的に喋りすぎてしまうことには特に注意しましょう。
(2)「その政策を実現したいなら、都庁じゃなくて民間の方が良いのでは?」「それは都庁じゃ実現できないですよ?」
これも定番の質問です。筆者自身も聞かれました。この質問に対し、敵を作りやすい人・常に自分が正しいと思い込んでいる人は、面接官を言い負かそうとしてしまいます。心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?(笑)
また、謝れない人は、「勉強不足で申し訳ありません」の一言が言えません。この質問に対する望ましい回答は改めて解説しますが、面接官が期待していることは面接官を論破することではなく、「うまく返せることができるか」なのです。
面接官を論破しても全く意味がありませんし(そもそも、面接官を論破できるほど政策に詳しい受験生は皆無でしょう)、そのような態度で臨めば「職場にいたら面倒くさいタイプになりそうだな」と思われてしまいます。
また、わからないことは素直に「勉強不足で申し訳ありません。しっかりと調べたいと思います。」と言ってしまった方が印象が良いです。もちろん答えられた方が印象が良いのは言うまでもありませんが、早めに謝ってしまえば、傷口は浅くて済みます。知ったかぶりをして誤った内容を答えてしまい、恥の上塗りをすることは絶対に避けましょう。
(3)圧迫面接全般
都庁では、圧迫面接が行われることがあります。特に、年齢が若い層・現役大学生の受験生は、圧迫面接の可能性が高くなります。合格した職員の話を聞いても、年齢が若い人や学生ストレートの人は、圧迫面接をされた人が多いです。これはストレス耐性のない人・真面目過ぎる人を見極めるためです。
圧迫面接では、面接官から意味不明な理不尽な質問がされることもあります。それに対し、いい意味で真面目に受け取らず、サラっと受け流すことができるか否かを面接官は見ています。クレーム対応の多い公務員(のみならず社会人)にとって、これは必須のスキルです。
このように、面接官は質問内容から、上記特徴をチェックしようと目を光らせています。
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