都庁の仕事内容(出先事務所の1日編)

 無事に採用試験を突破し、入都した新人職員は、職場でどのような1日を送っているのでしょうか?

 今回は、某局の出先事務所に配属された新人職員の1日をご紹介します。少し仕事に慣れてきた、配属後3ヵ月ぐらいの日常の1日を切り取りました。モデルは筆者の後輩ですが、守秘義務に抵触しないよう、内容はかなりぼやかしましたのでご了承下さい。

 なお、都庁では、一日の勤務時間は全職員とも7時間45分で一定ですが、勤務開始時間は様々な時間帯から選択することができます。ほとんどの職員は、 (1)8時半始業(A班) 、(2)9時始業(B班)、(3)9時半始業(C班)のいずれかを選択していますが、8時始業や10時始業を選択することも可能です。

※2020年8月現在、都庁全体でコロナ対応中のため、勤務時間は流動的になっています。

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新人職員の1日(通常期)

〇7:00 起床  勤務時間がB班(9:00~17:45)で、家から職場まで約50分かかるため、毎朝7時に目覚ましをセット。とりあえず眠気を覚ますためシャワーを浴びる。その後朝食。夕食の残り物をレンジで温めて食べる。

〇7:50 出勤  駅までは徒歩7分程度。雨の日はちょっとめんどくさい。毎日のことだが通勤電車が嫌すぎる。

〇8:45 職場着  始業時間の15分前に到着するようにしている。新人はやはり早く来るべきなのか?と入都前は思っていたが、全然そういう文化ではなかった。若手の先輩は5分前に来ているし、15分前でも全然遅くはない。A班(8:30~17:15)の先輩達はすでに業務を開始している。ロッカーに行き、スーツを脱ぐ。執務室ではワイシャツで過ごす。クールビズ期間なのでノーネクタイでOK。

〇8:50 メールチェック  まずはパソコンを立ち上げ、メールチェックを行う。庶務係から、研修のお知らせメールが入っていたが、業務内容に関係ないためスルー。

〇9:00 業務開始  都民から提出された書類の審査をする業務がメインの部署のため、書類審査はルーティーン業務。 毎日大量の書類が届くため、サクサクと片付けていく。チューターの先輩から一通り業務を教えてもらったし、入都から3ヵ月程度経っているため、基本的な作業は一人でできるようになった。

〇10:00 係内打ち合わせ  課長代理(係長)から係内の職員全員に声がかかり、ミーティング。各自の進捗状況の報告や、課長からの指示、本庁からの連絡事項等を伝えられる。

〇11:00 書類審査  ミーティングが終わると、先ほどの業務に戻る。淡々と処理をこなす。

〇12:00 昼食  昼休みは基本的に12時~13時で固定。普段は通勤途中にコンビニで買うことが多いが、今日は同期4人でランチに行った。店が混んでたため、帰りはダッシュ。

〇13:00 通常業務  午前中の仕事を継続する。淡々と処理をこなす。一番眠くなる時間帯。この時間の単純作業は正直辛い…。

〇14:00 書類作成  自分が起案(意思決定が必要な書類を作成すること)をする案件があったため、過去の資料を参考にしながら書類を作成。課長代理に決裁(押印)を貰いに行く。しかし細かい文言と「て・に・を・は」で修正が入る。役所の仕事は本当に細かいと改めて実感する。

〇14:30 課長決裁  課長代理から指示された部分を修正をしたうえで、課長代理の決裁(押印)をもらう。その足で課長の決裁をもらいにいくが、課長から細かい部分を質問され、回答できず。去年の資料をただコピペしたような感じだったので、理解が追い付いていなかった自分に反省。席に戻って調べなおす。

〇15:00 課長決裁(二度目) 課長の質問に回答する。その他の部分でも質問をされたが、想定をしていたため回答できた。無事に課長印を押してもらう。

〇15:30 都民対応  提出書類の質問のため来所した都民への対応。簡単な質問なら答えられるが、イレギュラー案件は捌くのが難しい。以前、なんとなくで回答してしまったことが正しくなく、後に事務所にクレームが入ったことがある。当然上司からは怒られた。公務員の仕事では、少しでも曖昧なこと・根拠のないことは一切答えてはいけないのだと学習した。

〇16:00 通常業務 無事に都民対応を終えて、書類審査に戻る。ぶっちゃけ、飽きてきた(笑)

〇17:00 電話対応 事務所でも評判のクレーマーから電話が入る。運悪く自分が取ってしまった。15分ほど自分が付き合い、なだめようとしたが駄目だった。何か要望があるわけではなく、ひたすらに事務所の対応の悪さについてのクレーム。向こうも暇つぶしでかけてきている感じがするので、なかなか切らせてくれない。自分ではラチが空かないため、課長代理に引継ぎ対応してもらう。

〇17:30 雑談  電話を切った後課長代理が、「こっちだって暇じゃねーんだよ!」とこぼしていた。気持ちは非常にわかる。 課長が「またあの人か?何て言ってきた?」と電話内容を課長代理に尋ねる。課長は課の責任者であるため、クレーム関係には非常に敏感なようだ。

〇17:45 勤務終了  今日も定時で終了。繁忙期ではないので、基本的に残業はない。

〇18:00 退所  片付けをして、ロッカーに立ち寄ってから退所。今日は予定もないし、ジムに寄ってから帰るか。

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1日の感想

 正直に言って、仕事は楽だと思う。たまにトラブルに巻き込まれるが、そんなに大した問題ではないし、大事は課長代理や課長が対応するので、自分が出る幕はない。しかし、他局の本庁に配属された同期の話を聞くと、幹部会議のための資料作りや、対外事業者との調整などをすでにやっているようだ。この事務所では、2年目になっても業務内容はあまり変わらないため、自分はこのままで成長できるのかな?と少し不安になる。

 都庁の仕事は大半が地味な事務作業と聞いていたが、出先事務所においては本当にその通りだった。仕事は面白くはないが、アフターファイブを自由に使えるので満足している。コスパはかなりいいと思う。

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