迷惑をかけそうな人の特徴(1)

 前回は、メンタルダウンをしそうな人の特徴について解説をしました。

 今回は、3つ目の要素である、職場に迷惑をかけそうな人の特徴について、どんな人がそれに当たるのか解説していきます!

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謝れない人の特徴

 当然ながら、自分が悪い時に謝ることのできない人は、公務員に限らずどこの職場でも嫌がられるでしょう。それは当然なのですが、ここでいう謝れない人とは、「自分が悪くなくても表面的にでも謝っているように見せることができない人」をいいます。

 自分が悪くない時に、なんで謝らなきゃいけないの?逆にプライドないと思われない?と思われるかもしれませんが、公務員の仕事の特性上、自分が悪くなくても謝らなきゃならないことはいくらでもあります。むしろ、真面目に仕事をしている職員からすれば、自分が悪くて謝ることの方が圧倒的に少ないです。

 例えば、ある職場の職員Aは、職場が管理している都立施設において、都民からの使用申請を受け付けて使用許可を出す業務を担当しています。都民との窓口となっているため、日ごろから都民との接点は非常に多く、クレームを受け付けることも日常的です。クレームの内容としては、次のようなものが多いです。

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よくあるクレーム

  • 「申請書が複雑で書き方がわからない、もっと簡略化しろ」
  • 「使用する1週間前までに申請しなきゃいけないのはなぜだ?予約が入っていないのなら、明日使わせろ」
  • 「予約しようとしてもいつも埋まっている、おかしいじゃないか」
  • 「窓口の職員の説明の仕方が悪いし、そもそも態度が悪い」

 最後のクレームは、実際に職員Aに原因があるパターンです。こういった職員の対応に対するクレームはどの職場でもありますが、素直に自分の悪かった所を認めて、次回以降直していく姿勢があれば十分です。

 問題は、その他3つのクレームです。これらのクレームは、職員Aに全く非がありません。申請書の書き方・申請期限は条例や規則で詳細に決まっているし、公の施設は基本的に先願主義(先に申請した者が勝つ)なので、クレームを言われても職員Aにはどうしようもありません。また、特定の都民・団体に優先的に使わせてあげることもできません。

 もちろん、都民のニーズを満たすために条例・規則を変えるということも可能ですが、あまりに大がかりな作業となるため、一都民の要望で実現されることはほぼあり得ないでしょう。そもそも、一人ひとりの要望をすべて聞いて規則を変更していたら、全体として見た際に不都合な規則になってしまうでしょう。

 このような時に、対応の仕方は大きく二パターンに分かれます。

・パターン1:ご不便をおかけすると謝りながらも、なぜこういう申請書を使用しているか、期限を設定しているかについて丁寧に説明する。

・パターン2:規則で決まってるのだから対応できない、と言い切る。

 どうでしょうか?面接試験を受ける皆様は、当然パターン1だろうと考えていると思いますが、悲しいことに、実際はパターン2の対応をしてしまう職員が多く見受けられます。皆さんの中にも、役所に嫌な対応をされた経験のある方はいらっしゃるのではないでしょうか?(笑)

 パターン2の対応をしてしまうと、相手方の都民は余計に苛立ちます。さらなるクレームが入ることや、上司を出せ!と凄んでくることもあります。職員Aが対応をミスしたため、その上司である課長代理や課長にも尻ぬぐいで迷惑がかかります。

 自分が悪くなくても、謝っている姿勢を見せ、丁寧に対応することは実務上非常に重要です。このような理由から、謝れない人、は組織から嫌がられます。面接官も、正しく謝れるか、という点についてはチェックしています。改めて解説しますが、都庁の面接で圧迫面接が多いのも、「正しく謝れるか」を見極めるためです。

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常に自分が正しいと思い込んでいる人

 常に自分が正しいと思い込んでいる人は、謝れない人に比べたら、職場にとってそれほど実害がないと感じられるかもしれません。しかし、実際の都庁の職場において日常的なトラブルを起こすのは、実はこのタイプの人が多いです。以下、実話を元にしています。

 ある職場の職員Bは、都民向けのイベントを企画する業務を担当しています。職員Bは、仕事に前向きに取り組んでおり、企画力・資料作成力も高く、職員としてのスペックは高い部類に属しています。一方で、課内において職員Bの評判は決して良くありません。

 なぜでしょうか。

 職員Bの業務は、あくまでイベントの企画をすることです。職員Bの企画したイベントについて、実際に参加者の調整をしたり、イベント会場を確保することは、別の係の担当の業務になっています。また、イベントを行うには当然お金がかかるため、いくらまでお金を使って良いか、経理係の担当と調整する必要があります。職員Bは、PR効果が高く、多くの集客が見込めるイベントを企画しました。確かに職員Bの企画どおりに実施されれば、イベントとしての成功は見込まれます。職員Bの上司も、「良い企画だ」と評価しています。

 しかし、職員Bがこの企画を参加者の調整をする担当に説明したところ、「Bさんがイベントにゲストとして呼ぼうとしている〇〇は、うちの課との接点がないため、企画を受けてくれないかもしれない。△△だったら依頼できるから、変更してほしい。」と、イベントのゲストを変更するよう提案してきました。また、同じく経理係に説明したところ、「企画は面白いけれど、うちの課の予算じゃ□□の実施は無理だ。それはカットしてもらいたい。」と、イベントの規模を縮小するよう提案してきました。

 このような打ち合わせを経ましたが、職員Bは、自分の企画に自信があり、また上司からも称賛されたため、絶対に自分の企画が正しいと思い込み、各担当に対して次のように言いました。「△△じゃ意味がないです。何とかして〇〇の参加を取り付けて下さい。」「多少予算はオーバーしますが、他の係の予算を回して何とか対応して下さい。」

 職員Bのやっていることは間違っていません。むしろ、企画を成功させるための熱意が感じられるものです。しかし、他の係にはそれぞれ他の係の事情があります。職員Bは、どうしてもその事情を想像することができませんでした。

 最終的には、それぞれの係の上司から、職員Bの直属上司に対し、職員Bの仕事の進め方について苦情が入りました。そして、職員Bは直属上司から注意を受けました。職員Bはそれでも納得せず、自分の上司に対し、「僕は何か間違っていますか?」と食ってかかるようになりました。これらをすべて見ていた所属長の課長は、職員Bを、やむなく今回の企画から外すことを決めました。

 こんな人いるの?と思われるかもしれませんが、実話を元にしています。そしてこういう人、都庁には結構います(笑)このような職員は無駄に職場をギスギスさせることになり、職場全体としての能率性も落ちてしまいます。職員としてのスペックは高く、やる気もあるため、一概にダメな職員ということはできませんが、自分が正しいと思い込んでいる人は職場に迷惑をかける可能性が高いため、面接官は採用したくないと考えています。

 都庁職員は、世間一般の感覚からしたら「優秀な人」と思われる機会が多いことも否定はできないため、変なプライドを持ってしまっている人も少なくありません。しかし、その自分が正しいと思い込んでいるがゆえに、職場に迷惑をかけていることに気づかない職員も多いのも事実です。

 次回は、引き続き、コンプライアンス意識の低い人の特徴について解説します。

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