都庁職員の賃貸事情~若手職員に人気のエリア~

 「無事に配属面談も終わったし、そろそろ家を探さなくちゃ」と、4月からの新生活について期待を膨らませている方も多い時期ではないでしょうか。すると当然、「どこに住むのが良いのか?」「家賃はどれぐらいまでかけていいのかな?」という疑問が浮かんでくると思います。

 今回は、入都に向けて新たに住宅を探そうとしている方に向けて、都庁若手職員はどんなエリアに住んでいるのか?また、どの程度の家賃の住宅に住んでいるのか?という点について解説をしていきます。

※令和3年現在、コロナの影響で例年とは異なる部分もありますが、あくまで例年を基準に解説していきます。ご了承下さい。

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1 はじめに

 2月後半から3月にかけて、4月からの新生活に向けて新しい住宅を探す内定者が多いです。首都圏の大学生の中には、学生の頃から住んでいる住宅を更新して住み続ける人も一定数いますが、心機一転のためか、この機に引っ越す人が多い印象です。

 一方、実家から首都圏の大学に通っていた内定者は、そのまま実家から通い続けるケースが多いです。

 その中でも、大学卒業と共に上京してくる内定者(割合として結構多いです)は、必然的に新しく住宅を借りる必要があります。上京組の中には、東京の地名や家賃相場について全然イメージが湧かない方も多いのではないでしょうか?

 筆者は関西出身ではありませんので、大阪と聞いてぱっと浮かぶのは、梅田・難波・天王寺くらいです。これと同じように、地方出身の方は「ひかりが丘」や「田無」「阿佐ヶ谷」「明大前」と言われても、ほとんどイメージが湧かないと思います(笑)

 具体的な地名はわからなくても、今回の記事で、「そんな場所が人気あるんだな」とイメージを持っていただければ幸いです。

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2 マンスリーマンションから始めるべき理由

 まず最初にめちゃめちゃ大切な事を言っておきます。

 最初はマンスリーマンションを借りましょう。  

 筆者の経験上、そして周りの職員の話を聞いても、2月後半~3月にかけて急いで新居を契約するのはやめて、ゴールデンウィーク明けぐらいまではマンスリーマンションを借りた方が絶対に良いです。

 その理由は極めて単純で、4月1日に実際の配属が言い渡されるから、です。

 筆者もそうでしたが、多くの職員は3月半ば~後半から新居に住めるように契約をして、引っ越しをしてきます。4月1日までに間に合わなかったらエラいことになるので、これは当然でしょう。しかし、都庁において配属部署が告知されるのは4月1日の入都式の後です。すると、次のような悲劇が発生します。

家賃はちょっと高かったけど、本庁に通いやすいと思って大江戸線沿線に家を借りた。それなのに配属先が立川の出先事務所だった。なんで俺は家賃7万〇千円も払って、1時間30分もかけて通勤しているのだろう。立川周辺だったら、家賃6万円代で30分以内で通える家も普通にあるのに。

 これ、筆者の友人の話で実話です。ちょっと笑い話のようですが、当然ながら当人は全然笑えなかったそうです(笑)

 さすがに彼は極めて不運な部類だと思いますが、似たような後悔をしている職員が都庁には多く存在します。新宿は東京のほぼ中心であり、また本庁が新宿にあることからも、配属が決まる前から新宿に通いやすい場所に住宅を借りてしまう内定者が本当に多いのです。

 しかし、局にもよりますが、新人職員は出先事務所に配属される可能性の方が高いため、結果的に高い家賃をかけて通勤に不便な家を借りてしまう職員が続出するのです。

 これを避けるにはマンスリーマンションを借りるのがベストです。そして配属が決まった後、4月後半からゴールデンウィークにゆっくりと新居を探すことをお薦めします。

「入都後は色々ばたばたして、そんな時間は取れないのでは?」と思うかもしれませんが、ごく一部の部署を除いて役所はカレンダー通りの勤務日程のため、ゴールデンウィークは間違いなく休めます。

 さらに2月~3月にかけては人の移動がピークの時期のため、単身用住宅は激戦で家賃も高くなりがちですが、4月半ばを過ぎると賃貸市場も落ち着いてくるため、掘り出し物の物件が見つかったり、家賃について有利に交渉できる可能性も高くなります。マンスリーマンションは費用としては割高ですが、今後2~3年不便な通勤を行う事を考えると、投資すべき費用だと思います。

 こういった事情から、個人的には4月はマンスリーマンションに入居し、配属先が決まってからゆっくりと新居を探す事を強くお薦めします。もちろん、親戚の家等にお世話になれる方は、お金を払ってマンスリーマンションを借りる必要はありません。

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3 若手職員の生息エリア

 では、実際に若手職員はどのようなエリアに住んでいるのでしょうか?

 2で解説したとおり、新人職員や2年目職員は本庁・出先事務所配属に関わらず、新宿に通いやすい(都庁本庁まで30分~50分程度)場所に住んでいるケースが多いです。

 以下、人気の沿線ごとに解説していきます。

3-1 都営大江戸線沿線

 本庁に通うならば、間違いなく大江戸線沿線(都庁前~光が丘)が便利です。

 都庁の本庁舎に新宿駅から歩いたことのある方はわかると思いますが、新宿駅からは結構(筆者の体感では12~13分程度)歩きます。

 その点、大江戸線の都庁前駅を使えば、電車を降りてから3~5分程度で都庁に着きますし、地下通路で繋がっているため雨の日には傘を使う必要もありません。

 このように都庁に通うには非常に便利ですが、大江戸線はJRや東京メトロ等への乗り継ぎが優れているとはお世辞にも言えないため(交通局の方ごめんなさい笑)、他の路線に比べて家賃は若干安めです。通勤に便利&家賃が安めなら、他にこだわりが無ければ、大江戸線沿線にするのが無難だと思います

 その中でも人気のエリアの一つは、終点の光が丘です。朝の大江戸線は激混みですが、光が丘は始発駅で出勤時に座って通勤できるというメリットがあるため、光が丘に住んでいる職員も多いです。

 その他の駅では、東中野・中井・落合南長崎・新江古田あたりが人気があります。基本的に都庁に近づけば近づくほど家賃は上がりますので、新入職員にとって中野坂上や東中野は少し厳しいかもしれません。

 もっとも、上で述べたとおり、新人は出先事務所配属になる可能性が高いため、配属が決まる前に焦って大江戸線沿線の住宅を契約することは避けた方が良いと思います。大江戸線沿線は乗り換え等が非常に面倒な場合が多いため、出先事務所に配属された場合、かなり憂鬱な2~3年間が待っています。ちなみに新宿駅での大江戸線からJR線への乗り換えはめちゃめちゃ面倒です(笑)

3-2 西部新宿線沿線

 西武新宿駅まで一本で出ることができ、沿線の家賃も安価なため、西武新宿線沿いに住んでいる職員も多いです。家賃相場は大江戸線沿線よりもさらに低いです。

 難点としては、西武新宿駅から本庁舎まで歩くとかなり遠い(筆者の体感で20分以上)という所でしょうか。人によっては、高田馬場駅で山手線に乗り換えて、JRの新宿駅を利用している職員もいます。

 中井駅~小平駅までの間のいずれかの駅に住んでいる職員が多いという印象です。

3-3 中央線沿線

 中央線沿線は新宿まで一本で出ることができ、人気が高いエリアです。西武新宿線沿に比べると、家賃は若干上がります。朝のラッシュはご愛敬です。吉祥寺に住むとテンションが上がると答える人が2人ほどいました(笑)

 中野・高円寺・阿佐ヶ谷・吉祥寺あたりに住んでいる職員が多いですが、武蔵境や東小金井、国分寺も人気があります。さすがに立川まで離れる人は少なかったです。(むしろ家賃が高いので)

3-4 京王線沿線

 京王線沿線も新宿まで一本で出ることができ、人気が高いエリアです。中央線沿線よりは家賃が少し下がります。明大前~調布の間に住んでいる職員が多い印象です。

 筆者の知り合いではあまりいなかったので、情報が少なめですみません。

3-5 その他のエリア

 他はかなりバラバラですが、埼京線沿線(赤羽・十条等)や、東京メトロ有楽町線沿線(千川・小竹向原等)、丸の内線沿線(方南町方面)に住んでいる職員もいます。また、山手線では大塚・田端・西日暮里あたりに住んでいる職員もいます。

 若手で、山手線の内側に住んでいる職員には会ったことがありませんでした。大塚に住んでいた友人は山手線の内側だったかもしれませんが、一般的に大塚は山手線の内側とは認識されないでしょう(笑)

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4 若手職員の家賃相場

 続いて、若手職員が住んでいる住宅の家賃相場を解説していきます。

 まず前提知識ですが、令和3年現在、都庁では賃貸物件に居住している35歳以下の職員に対し、月1万5千円の住宅手当が出ます。よって、これを考慮した上で住宅を選んでいくことになります。民間企業では家賃の半額程度の助成をしてくれる会社もあるため、個人的に1万5千円は少し寂しかったです…。

 そして筆者を含め、若手職員の中で一番多かった家賃相場は、月7~7万5千円(管理費込)程度です

 もちろん、月4万台の安アパートに済んでいる奴や、月9万を超える物件に住んでいる女性職員、シェアハウスに住んでいる職員もいましたが、全体で見ると少数派です。筆者も入都時はこの枠の家賃帯のマンションに住んでいました。正直な所、新宿に通いやすい場所で7万円台だと、良い物件に住むことは難しいと思います。筆者の家探しが下手だっただけかもしれませんが。

 余談ですが、筆者が入都4年目の終わりに家賃8万を超えるマンションに引っ越した際には、その設備の良さに感激しました記憶があります(笑)

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5 まとめ

 今回は、都庁の若手職員の賃貸事情について解説してきました。

 簡単にまとめると、次のとおりです。

  • 大江戸線、西武新宿線、中央線、京王線沿線が人気のエリア
  • 家賃相場は管理費込で7万~7万5千円程度
  • 配属が決まるまでは家を借りず、マンスリーマンションを借りた方が良い

 さすがに都庁に入都する方の中は、「東京に行ったら恵比寿・渋谷あたりに住みたい!」と考えている方は極めて少ないと思いますが、はっきり言って無理です(笑)

 4月まで時間は少ないと思いますが、良い物件に巡り合えることをお祈りしております。なお、筆者としてはマンスリーマンションを強くお薦めしますので、もしよかったら参考にしてみて下さい。

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