すぐに辞めてしまいそうな人の特徴

 前回は、面接官が見極めたい3つの要素について解説しました。

 今回は、その1つ目の要素である、すぐに辞めてしまいそうな人の特徴について、どんな人がそれに当たるのか解説していきます!

 すぐに辞めてしまいそうと面接官に思われないよう全力を尽くしましょう(笑)

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下調べの足りない人

 都庁、そして公務員の仕事について、下調べの足りない人は、入都後すぐに辞めてしまうケースが多いです。悲しいことですが、未だ公務員の仕事については、「9時~5時で、残業もなく、楽なデスクワークで、有給休暇は取りやすくて、都民に命令していればよくて、福利厚生も充実していて、給料も高くて、転勤もなくて、安定していて、いいよね。」というイメージを持っている人は多いです。

 世間での公務員叩きが行われる理由も、公務員に対しこのようなイメージがあるためであることは否定できないでしょう。実際に都庁に入ろうと勉強している受験生で、このようなイメージを都庁に対して抱いている人は少ないと思いますが(もし抱いていたら、すぐに改めたほうがよいです(笑))、それでも、安定した生活がしたい・アフターファイブを充実させたい・休みを取って旅行をいっぱいしたい、というモチベーションを持って都庁に入ってくる職員は一定程度います。

 もちろん、アフターファイブを充実させることは大切ですし、旅行好きな人が長期旅行をモチベーションに仕事を頑張ることも素晴らしいことだと思うのですが、それが全く叶わない職場に配属される可能性もあるということは、事前に知っておくべきでしょう。出先の事務所などでは、定時で帰れて、有給休暇もフルで取れる職場はあります。そして、出先の事務所ではそのような職場は珍しくもありません。

 しかし、本庁の忙しい職場の中には、定時で帰れることはほとんど無く、有給も取り辛いといった職場はいくらでもあります。昨今の働き方改革で、このような職場は少なくなってきてはいますが、相変わらず残業が蔓延している職場も事実として存在しています。

 試験に合格した後、実際にどこの局・どこの職場に配属されるかは運によるところが大きいので、どんな職場であっても頑張ろう!と思える意識がないと、きつい職場に配属されたときにモチベーションが保てません。特に、同期が楽な職場に配属されてアフターファイブを楽しんでいるのを知った時には、本当にやってられなくなってしまいます。

 実際にどのくらいの残業があるのか?きつい仕事とは具体的にどのようなものがあるのか?土日出勤のある可能性はあるか?といった基本的なことについて調べていない職員は、採用後すぐに、「想像と違った」と言って辞めてしまうケースがあります。

 筆者の知っている後輩は、最短で入都後1か月で来なくなりました(笑)

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意識高い系の人

 これは少し意外かもしれませんが、面接官は「意識高い系の人」を非常に警戒しています。ここでいう意識高い系とは、「福祉の専門家になって少子高齢化問題に対処したい」や、「大学時代に勉強していた〇〇を活かして、都庁では△△などの政策を実現したい」というような具体的な目標を持つ、公務員としての本来の意識が高い人ではありません。

 それよりも、「都庁に入ってエリートになりたい!」「都庁に入って、スケールのでかいことやりたい!」というような、都庁ブランドに対する憧れが強く、漠然とした目標を持っている人をいいます。

 正直なところ、やはり都庁は地方公務員では最も目立ちますし、都庁の庁舎自体も格好いいことから(笑)都庁に勤めていることを一種のブランドに感じている職員はいますし、そのこと自体を悪いことだとは筆者は思いません。自分の職場に愛着を持つことは、モチベーションの維持の観点からも重要だと思います。

 しかし、都庁の仕事の大半は地道な事務作業であり、地味なものです。特に若手のうちは、自分の仕事がどのような成果を出しているのか?何の役に立っているのか?ということを実感しづらい部分が非常に強いです。

 都庁ブランドに憧れを持ち、漠然とスケールのでかいことがやりたいと考えてきた人は、大抵この現実に躓きます。「こんなつもりじゃなかったな」「仕事が単純で面白くない」「スケールの大きいこと全然できないじゃん」「俺にはもっと才能を活かせる場所があるはず」といって何人もの若手職員が都庁を退職していきます。

 筆者自身も、そういって辞めていった先輩・同期・後輩を、何人も見送ってきました。もちろん、何の仕事をしたいかは個人の自由ですし、思っていたのと違ったからと転職することは悪いことでもなんでもありません。

 むしろ嫌な仕事を続けるよりも、早いうちに転職した方が本人にとって絶対にプラスだと思います。しかし、組織の観点からすると、そういう理由で新人にすぐに辞められてしまうと非常に困るのです。

 なので、面接官の立場からすると、「口先は立派だけど、現実がわかってなさそうだな」と思わせがちな意識高い系の人の採用は、極力控えたいと考えています。当然ながら、具体的な目標を持つ、公務員としての本来の意識が高い人は、積極的に採用したいと考えていますので、そこはご安心下さい。

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腰掛の人

 これは職員の中では少数派ですが、一部、司法試験や公認会計士試験、税理士試験を目指していて、試験に合格するまでのアルバイト感覚で都庁に入都してくる人がいます。特に法科大学院を卒業している司法試験受験生にとって、1類A方式やB方式の専門記述は楽勝でしょうから、何の対策もしないで合格できてしまう場合があります。アルバイト感覚で入都することも、個人の自由であるため決して否定はできません。むしろ、効率のよいアルバイトとして良い選択だとも思います。激務の部所に配属されたら終わりますが(笑)

 積極的にアルバイト入都を薦めるわけではもちろんありませんが、面接で合格したいならば、腰掛であることは絶対に隠しとおすべきです。ちなみに面接対策とは関係ありませんが、都庁では法科大学院出身者(司法試験組)が非常に多いです。

 面接官は、これまで紹介してきたような、すぐに辞めてしまいそうな特徴を持つ人を不合格にする可能性が極めて高いです。

 次回は、二つ目の要素である、メンタルダウンしてしまいそうな人の特徴について、解説します。

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