都庁面接質問の回答例(1)

 前回は、実際の都庁面接で聞かれる内容について解説しました。

 今回は、これまでの記事の内容を踏まえ、どのように答えるのがよいかについて、解説していきます!

スポンサーリンク

面接時のチェックポイント

 以前の記事で、都庁が採用したい人材・採用したくない人材について解説をしました。

 簡単にまとめると、次のとおりです。

採用したくない人材

  • 下調べの足りない人
  • 意識高い系の人
  • 腰掛の人
  • ストレス耐性のない人
  • 真面目すぎる人
  • 敵を作りやすい人
  • 謝れない人
  • 常に自分が正しいと思い込んでいる人
  • コンプライアンス意識の低い人

採用したい人材

  • バランス感覚のよい人

 繰り返しになりますが、都庁の面接は、優秀な人材を選別するための試験ではありません。これは面接試験の合格率からも明らかです。「都庁に入ってエースとして活躍できる人」を見つけるための面接ではなく(当然ながら、そういう方がいれば採用はされます)、「都庁に入って普通にやっていけそう」な人が欲しいのです。

 そのためには、上に述べた「採用したくない人材」の要素を持っていると面接官に思われてはいけません。反対に、面接官と言葉のキャッチボールがしっかりとでき、「この人は問題なさそうだな」と思わせることができれば、面接試験はほぼ確実に突破できます。

スポンサーリンク

回答例

それでは、前回紹介した都庁面接で聞かれる20例から何個か質問をピックアップし、良い答え方・悪い答え方の事例を解説していきます。

 あくまで、都庁での職務経験と他職員との意見交換を踏まえた上での筆者の主観ですので、この答え方をすれば必ず高得点になるという保証はありません。ご承知おきの上、参考程度にご活用下さい。

志望動機・採用されたらやってみたいこと、に関する質問については、都庁面接シートのポイントと記載例の記事をご参照下さい。

例(1)「最近のニュースで興味のある話題は?」

ポイント

冒頭の雑談で聞かれる項目です。何に関心を持っているか?と聞いていますが、受験生が関心を持っている対象自体に面接官は興味ありません。どのように答えてくるか?テンポよく会話ができるか?ということをチェックしています。面接官が対象自体について興味がないとはいえ、あまりに政治的な内容や、思想的な内容は避けた方が無難でしょう。あえてそのようなネタを選んだのか?バランス感覚が悪いなぁ、と思われかねません。

回答例

良い例:「そうですね、環境問題に興味があるので、最近のニュースでは、レジ袋の有料化取組に興味を持っています。」

悪い例:「そうですね、環境問題に興味があるので、最近のニュースでは、レジ袋の有料化取組に興味を持っています。環境問題は、自分たちの世代だけの問題ではなく、次の世代に大きな影響を与えてしまいますので、全力で取り組まなければならないと考えています。私が都庁に採用されたら、環境問題について身近な所からできる政策を積極的に提案していきたいと考えています。」

解説

 良い例については、それだけでいいの?と思われるかもしれませんが、特に不備のない答え方なので、これで十分です。こう答えれば、面接官は、「どうして興味あるの?」と聞いてくるでしょうから、それに対して「環境問題は~」と回答すれば、言葉のキャッチボールができます。

 悪い例については、面接官が聞いてきた以上のことを勝手に喋ってしまっています。面接官からしたら、「話聞いてないな」「会話が成立してないな」と思われる可能性が高いです。ここまで極端な回答をする方は少ないと思いますが、熱心で真面目な受験生ほどやってしまいがちな回答なので、十分に注意しましょう。

 いずれにせよ、冒頭の質問なので、あまり気負わなくても大丈夫です。

例(2)「希望の部署に行けなかったらどうするか?」

ポイント

 聞かれる確率が非常に高い質問です。受験生が下調べをしているか?意識高い系ではないか?職員として働く意欲があるか?等をチェックしています。  都庁では、特に若手職員のうちは同じ局内での異動が多く、他局へ異動するケースは少ないですが(強く希望すれば叶うことが多いです)、同じ局内でも本庁と出先事務所、または課や係によって仕事内容が大きく異なります。

 ですので、興味のない仕事・嫌な仕事に回されてしまう可能性も十分あります。逆に言うと、異動の度に希望の業務の部署にだけ配属される人など、存在しません。ここの回答次第では、「部署によっては辞めてしまいそうだな」「全然現実を理解していないな」と思われてしまいますので、回答内容には十分注意したいところです。

回答例

良い例:「もちろん、〇〇をやりたいという気持ちはあります。しかし、色々な経験をする中で成長できる部分も多いと思いますし、その中で新たに自分がやりたいことも見つかることも多いと思いますので、仮に今現在やりたい業務でなかったとしても、全力で頑張りたいと思っています。」

悪い例:「もちろん、色々な種類の業務があることは承知しております。ただ、私は大学でもずっと□□を勉強していて、関連サークルにも所属していました。将来□□の政策に携われることを目標に、日々の業務を頑張りたいと思います。」

解説

 良い例については、模範的な回答だと思います。バランス感覚が優れていますし、実際に異動が多い都庁の職場では、どんな仕事でも文句を言わずに取り組んでくれる人を採用したいと考えています。面接官も、「この人なら、どこの職場でも文句言わないで働いてくれそうだな」と感じると思います。

 悪い例については、これも熱心で真面目な受験生がやってしがいがちな回答ですが、絶対に避けた方がよいです。受験生としては、「□□を勉強していて、将来政策に携わりたい!」という熱意を伝えてるという意識でしょうが、面接官は、「□□の部署に行けなかったら辞めちゃいそうだな。」と思います。また、面接官によっては、「業務の現実がわかっていない意識高い系だな」と思われてしまうこともあると思います。

 以前の記事でも解説しましたが、都庁の新規採用職員の中で、自分が希望していた業務に携われる人はほとんどいません。少なくとも筆者の周りでは見たことがありません。むしろ、実際に働いてみて、「自分には△△が向いてるな」と感じたら、そのような業務を行う部署に異動希望を出す例が多いです。このような希望は叶うこともあります。

 ですから、採用時の希望は、あくまで今現在の希望と割り切って、思いを伝える程度にする方が無難です。

 次回は、引き続き回答例について解説します。

コメント